遺贈と遺言執行者と登記手続き

被相続人が亡くなった時に、不動産の承継が生じますが、一般的には「相続」と原因として相続人が不動産を取得します。
ただ、遺言に定めることによって相続人以外の人に不動産を相続させることが出来ます。
これを「遺贈」といいます。

遺贈を原因とする登記

遺贈とは、不動産の所有者が死亡することによって発動する「贈与」です。
ですので、通常の相続を原因とする不動産名義変更の場合は、相続人のみの手続きで登記することが出来るのですが、遺贈の場合は、不動産登記の原則どおりに、登記権利者と登記義務者が共同で手続きをすることになります。

遺贈の場合では、登記権利者は登記名義を得る人、登記義務者は登記名義が無くなる人です。
登記権利者は不動産を遺贈された人になりますが、登記義務者は誰になるのでしょうか。
登記名義人である人は死んでいます。

この場合は、登記義務者は「相続人」となります。
仮に相続人が全部で10人いれば、10人全員が手続きに協力しないと登記名義を変更することは出来ません。

10人が協力的であれば手続きは問題なく出来ますが、遺贈された人と相続人のうちの一人が不仲であったらどうでしょう。
絵に描いたモチになりますよね。

ですので、遺贈する場合は遺言書中に遺言執行者を必ず定めておくようにおすすめしています。

遺言執行者がいると手続きがスムーズ

遺言執行者がいると、相続人に代わって、遺言執行者が登記義務者として動くことが出来ます。
遺贈された人と遺言執行者の2名で手続きすることが出来るのでかなりスムーズです。

また、相続人と遺贈された人が不仲であったとしても遺言執行者は関係なしに遺贈された人のために登記手続きをすることが出来ます。
遺言執行者は遺言書の内容を実現することが職務ですので、相続人が遺言執行者にとやかく言って手続きを邪魔することは出来ません。
※遺留分の侵害などがある場合は、遺言執行者に対して遺留分減殺請求をすることは可能ですが、遺留分減殺請求自体が遺贈の登記手続きを止めることは出来ません。

遺贈したい場合は遺言執行者を決めておく!と覚えておいて下さい。

余談ですが、相続を原因として相続人に不動産名義を変更する場合は、遺言執行者がいる場合でも不動産名義変更の手続きにおいては遺言執行者の出番はありません。
これは、相続による不動産の所有権移転の場合は、相続によって当然に不動産所有権は相続人に承継され、また、前述のとおり登記義務者が存在しないので、遺言執行者の職務権限が健在化しないためと言われています。

 

この記事を書いた人佐伯知哉(さえきともや)司法書士紹介ページ

司法書士さえき事務所の代表司法書士。
主に相続関係の手続き、相続の生前対策(遺言・家族信託など)、不動産の登記、会社法人の登記を中心に業務を行っております。今後はさらに遺産相続問題に先進的に取り組む事務所を目指しています。

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