民事信託活用事例
~相続した不動産の管理処分に不安があるケース~

相談者Aさんのお母さんであるYさん(75歳)が相続した不動産。

Yさんは先天的な身体障害があり、相続した不動産に一人で住み続けることは困難です。

Aさんの自宅近くの施設に入居してもらう予定ですが、今後の空き家となった不動産の管理や処分に不安があるというご相談でした。

 

Yさんは体は不自由ですが、判断能力に特に問題はなく現時点で不動産の売買契約を行うことは可能です。

ただ、すぐに不動産を処分する気はないので、Aさんとしては万が一今後Yさんが認知症などを発症した時に不動産を売却できなくなるのではないかが心配です。

 

もし認知症になってしまい判断能力や意思能力がなくなると成年後見人を裁判所に選任してもらって、成年後見人が不動産の売却等Yさんの財産管理を担うことになります。

ただ、最近では親族であるAさんをYさんの成年後見人となるように希望しても希望通りにいくことは少なく、専門職である司法書士や弁護士が選任されるケースが増えてきています。

 

Aさんとしては、見ず知らずの人に母親の財産管理を任せるのに抵抗があり、さらに専門職が成年後見人に選任されると報酬として月3万円程度の費用がかかります。

仮にYさんが亡くなるまで10年間の財産管理を任せた場合には、3万円×120カ月(10年間)=360万円程度かかることになります。

 

そこで、今回のケースで民事信託を組むことにしました。Yさんを委託者兼受益者、Aさんを受託者として、Yさんの不動産を信託財産としてAさんが管理します。

民事信託だと、AさんとYさんの信託契約によって不動産の名義をAさんに移すことができます。

 

受託者としてAさんが不動産を売却したことによって生じた金銭はAさん個人のものではなく、受益者であるYさんのものとなり、Yさんが施設に入居した場合の費用等に充てることができます。

 

また、息子であるAさんが財産管理をするので報酬は無報酬と定めることもできるので、信託契約に伴う費用等はかかっても長い目で見ればコストも抑えることができます。

民事信託であれば、財産管理をYさんが自身で選んだ息子であるAさんに任せることができますし、Yさんが認知症になった場合でも、Aさんが売買契約を始め全てを一人で担うことができます。

さらに、Yさん死亡後のYさんの財産についても帰属先を信託契約の中で決めることができるので遺言の機能も持たせることが可能となります。

 

民事信託では不動産の名義が受託者に移るので、自分のものでは無くなるのではないかと誤解される方が多いですが、そうではなく、「自分の信頼する人に財産の管理委託をする」と考えて下さい。

 

受託者に不動産の売却権限を与えたくなければ信託契約の中でそのように定めらますし、かなり柔軟な設計が可能となりますので、同じようなお悩みをお持ちの方は是非一度ご相談下さい。

 

 

この記事を書いた人佐伯知哉(さえきともや)司法書士紹介ページ

司法書士さえき事務所の代表司法書士。
主に相続関係の手続き、相続の生前対策(遺言・家族信託など)、不動産の登記、会社法人の登記を中心に業務を行っております。今後はさらに遺産相続問題に先進的に取り組む事務所を目指しています。

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